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「初心者にもできる長期投資で厳選銘柄を探そう!」第3回 1株あたり株主価値が増える株を探そう!【ROE 編】③

この2つの数字を見比べて何か思うところを述べてください。1株純資産は年率19.2%増えました。株価は年率20.8%増えました。

 

そうですね。似てますよね。これを見て不思議じゃないですか。「え?そんなふうに考えたこと、なかったけど」って思いませんか?バークシャーは実は配当してません。無配の会社です。

 

なので、配当しないと1株純資産が増えていくスピードと株価が増えていくスピードってほとんど同じなんだなということが、ここから分かるわけです。この1株純資産が増えるスピード、19.2いうのは、実はROEと同じ意味です。

 

ずっと50年平均すれば、バークシャーはROE19.2%だったよっていうことです。1株純資産が増えるスピードとROEと、無配の場合は同じになるんですね。なので、バフェットが1ページ目にこれを出したということは、つまり、ROEをすごく重視してるよいうことです。

 

ROEが、先ほど私が説明したように、1株価値が増えるスピード、あるいは株価が上がるスピードと比例しているよ、それをグラフにしたのがこれです。

 

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赤色のグラフがバフェットが重視している1株純資産です。この紺色の線グラフがバークシャーの株価です。比例してますよね。先ほどから申し上げているように、この角度が20%、ROEなわけです。ということで、このROEを長期平均的に高く維持するということを、バフェットは重視してたんですね。

 

日本でこんな会社はありますでしょうか?あります。さっき見ましたよね。例えばカカクコム、あるいは良品計画、ファーストリテイリング、ソフトバンク、探せばあります。滅多にないですけど、探せばあります。この基準で探すと条件に当てはまる上場企業は100社とか200社ぐらいしかないですね。

 

ということで、今日の2つ目のポイント、バフェットはROEをとても重視してるんだよっていうことです。

 

私が勝手に適当に言っているわけじゃないということですね。ここまでよろしいでしょうか?大丈夫ですかね。ROEが高いかなって見てるとき、「ああ、自分はバフェットだ」と思いながら見てください。

 

では、ちょっと変化球を投げていきます。第3問です。投資するならどちらでしょうか

 

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左がファナックです。工作用機械、工作機械の制御をするような装置をつくってる、あるいは工作用機械そのものをつくってる会社です。海外売上高が81%を占めています。ROE12%。自己資本比率は89です

 

一方、神戸物産は何かと言うと、フランチャイズで業務スーパーをやっている会社です。ROE14自己資本比率は11です

 

もっと意見が割れると思っていましたが、ファナックという意見が多いですね。まず、自己資本比率が高いですよね。ファナックの自己資本比率は89%、神戸物産は11%、ちょうど逆転してます。

 

ちょうど逆転していて面白いなと思って取り上げました。グラフの形はとんとんか、神戸物産のほうがいいかなっていう感じです。

 

この問題のポイントは皆さんのお気づきの通りで、自己資本比率が高いファナックと、自己資本比率が低い神戸物産と、どちらがいい思いますか、そういう質問です。

 

 

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の問題は実はなかなか一筋縄では行きません。ファナックの純資産は、全体が100とすると、そのうち89が純資産ですね。自己資本ですね。それに対してROE12%ですから、利益は10.7となります。

 

一方、神戸物産は自己資本比率が11%ですから、自己資本は11です。それに対してROE14%ですから、利益は1.5となります。これだけ見ると、もう神戸物産は今にも倒産しそうで心配ですよね。心配ですよね。でも、そう単純でもないんです。

 

ちょっと角度を変えて質問をします。そもそもなんですけども、ROEは、当期純利益÷自己資本という式で計算されます。

 

 

実は経営者は、ある程度このROEを操作できるんです。高くしたろうとか、少なくしたろういうように調整できるんです。経営者がROEを高くするためにやれることは大きく2つです。

 

1つは利益を増やすということです。皆さん、利益を増やすためには何をしたらいいですか?

 

「設備投資」という意見が出ました。設備投資で利益を増やしていきましょうよ。いいですね。正攻法ですね。「コストカット」、「効率化」「売上を伸ばす」、いろんな意見が出ましたね。

 

もう1つ、ROEを高める方法があります。分母に注目しましょう。自己資本をどうしたらいいんですか?これは分母ですから、ROEを高めるためには、自己資本を増やせばいいんですか、減らせばいいんですか?自己資本の割合を増やせばいいか、減らせばいいか、考えてみてください。

 

そうです、減らせばいいんです。自己資本を減らすためには、何をすればいいでしょうか?2つあります。1つは正攻法で自己資本を減らす。「自社株買いですね。自社株を買って、株主に会社のお金を還元するということ。

 

それから配当です。増配という正攻法と、もう1つは、思いっきり負債を増やすいうことです。どんどん負債を増やして、リスクの高い財務状況にして、それでどんどん設備投資をして、投資をして、利益を増やすというやり方です。

 

 

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どちらの方法がいいというわけではないですが、ここで理解していただきたいのは、経営者がROEを増やすためにいろんな施策を打つことができるということですね。

 

なので、ここで見ていただいたように、特に分母に注目すると、自己資本を減らすとROEが高まるんですね。自己資本を増やすと、ROEが減るわけです。つまり、財務的な健全経営をすれば、ROEは低くなります。この代表格がファナックです。低いっていっても高いですけどね。

 

逆にリスクが高い経営、借入をいっぱいして、どーんと負債の割合を多くして、企業の規模を大きくすれば、ROEは高くなります。この代表例が神戸物産なわけです。

 

なので、ROEが高い会社で、ROEだけを基準にして銘柄を選ぶと、大失敗をする可能性があります。自己資本が少なくて倒産するかもしれない、そんなリスクが高い会社は、得てしてROEが高くなってしまうからですね。

 

だから、自己資本比率もよく見ましょうねということが、ここでのポイントです。いいですか?

 

自己資本比率とROEは逆の関係にあります。なので、ROEだけを見て投資すると、倒産するようなリスクの高い会社をつかんでしまう可能性がありますだから気を付けてくださいねということです。

 

ここまでよろしいでしょうか?なので、私は前回、前々回のセミナーでも申し上げたように、1つ1つ、全部の条件を満たしていってほしいわけです

 

(④へつづく)

2017.06.14

カテゴリ:メディア情報

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