メディア情報
「初心者にもできる株式長期投資」第1回 今のマーケットってどうなっているの?④
なので、先ほど冒頭のほうで申し上げましたけれども、今の世界の人口のトレンド、GDPのトレンドを見た後で、今一度こうやって今の世界経済のリスクを見てください。
中国の債務が多過ぎる、だから株価が下げる。資源国資源の価格が下がり過ぎて、ロシアとかブラジルで停滞している。
これらはそれぞれ景気にとってはマイナス要因ですよね。
でもこれらのことは、今見たスケールからするとすごく細かい話ですよね。この大きなグラフの中でも本当に1ミリぐらいの間の話しているじゃないですか。
なので、長期投資を考えるからには、中国がどうとか、ドイツ銀行がどうとか、それ以前にまずは世界の経済全体がどういうトレンドを示してるかということを見ましょうということです。
仮に明日、中国で地方政府が破産して株価が暴落したところで人口は減らないです。今日よりも明日、世界の人口は増えているし、明日よりも明後日、世界の人口は増えているわけです。なので、一番基本のトレンドを重視しましょうということです。
そうしたら、結論的に言うと、長期投資といったときにどんな会社に投資すればいいのでしょうか?
先ほど私が申し上げたのは、成長しているマーケットを対象にし、右肩上がりに増えているマーケットで戦っている、マーケットに商品を売っている、そんな企業に投資しましょうということを言いましたよね。
そうですね、やっぱりグローバル企業ですね。
日本人として、日本にいる我々としてやっぱりそういう企業に投資していくのが一番いいと思います。そういう企業に投資しておけば、仮にここから短期的に日経平均が5000円ぐらいになったとしましょう。
別にいいじゃないですか。確かに日本は先ほど見たように停滞、日経平均が上がらなくたって、世界は伸びています。ということで、利益が増えていく会社に投資をしましょう。そうすれば、株価も連動して上がっていきます。
—–利益が増えていく会社ってどんな会社?
では、利益が増えていく会社って何でしょうか。特に世界のマーケットを対象にしている企業ですね。そういう企業は、短期的な株価の上下には振り回されずにやっていけるんじゃないかなと思います。
今回皆さんのアンケート、メッセージでかなり暗いものが多かったです。
例えば「年始から下げ底が見えないんだけど、日経が1万5000円を割ったら底なしですかね」。いや、そんなことはないと思いますが、長期的に見て明るいトレンドとは思えないですね。
「塩漬け株を当面どうしたらいいのか。戻りを待ってていいのか」。塩漬け株。この答えは明確で、利益が増えていく会社なんだったらずっと持っていればいいわけです。
塩漬け株でも、あまり成長しているマーケットを対象にしていなくて利益が年々減っていくのであれば、持てば持つほど株価は下がる一方です。
だから、売ればいいですし、塩漬け株でも毎年利益が増えていく会社であれば、持っていれば、漬けておけばおいしい漬け物ができる。というふうに考えていくわけですね。
これが長期投資です。長期で投資するというのはこういう考え方です。だから、本当は今、日経平均が下がってきたときにいい会社の株もどんどん下がっていますので、本当はチャンスです。
だから、こんなときに利益が増えていく会社の株を買えれば、あとはもう枕を高くして、売ってくれた人に感謝ですね。「ありがとう」と、「古館さん、暗い雰囲気で気分を暗くしてくれてありがとう」みたいな感じで、こそっと買っておけばいいわけです。
ただ、利益が減っていく会社とか、横ばいの会社をこの暴落時に買ってしまうと、そのままもう戻ってこないということもあるので、そこは見極めが大事ですよね。
もう少し踏み込んだ話をしていきたいのですが、そのためには時間がないです。なので、これはそのこともあって全6回にしていますので、次回以降でどんな話をしていくのか、ポイントを説明していきます。
まず次回、第2回目は株式の価値をどのように計算するかということをお話しします。
先ほど見た花王の棒グラフがありましたよね。あれってどうやって計算するんですか?今の株価が、例えば花王の株価が割安か割高か、どうやって計算するんですかということをお話しします。
基本は1株当たりの利益に20をかける、これが1つの目安になります。でも、そうとは限らない場合もありますが、まずはこれをベースに話します。
もう少し詳しく、業種、業態に合わせた1株価値の計算の仕方も次回紹介します。いつもよりちょっと踏み込んだ話もします。
業種、業態の話とかをしていきます。今のことを知らずして長期投資は絶対にできない。
次に第3回目。景気循環株とディフェンシブ株のどっちに投資するかというテーマです。皆さん、どうですか?どっちが好きですか?
これを分からずに投資するのは相当危険です。分からないと大やけどをします。
ちょっと心配になったので、ちょっとだけポイントを説明します。
ディフェンシブ株というのは、どんなときでも使用される商品等を扱っている会社で、食料品、衣類、医薬品等があります。景気循環株というのは、景気循環の影響によって業績がすごく伸びたり減ったりする、例えば電気機器、機械装置、そういうイメージです。
このディフェンシブ株と景気循環株で投資判断が全く変わってくるので、注意しないといけないです。
なぜかというと、ディフェンシブ株は基本的に1株価値よりも株価が下がれば買い、株価が上がれば売りというのが基本です。
ところが、景気循環株はその投資判断が逆になります。景気循環株は業績がどんどん上がっているとき、大体過去最高益などを出すときに景気のピークが来ていることが多いです。
ですので、過去最高益を付ける頃に株価が下がり始めて、一見すごく割安になっていきます。このように割安だと思ったら、その後ドスンと業績が悪くなってしまうことがあります。
ドスンと業績が悪くなったら一見すごく割高な感じに見えますが、実はこのときが買いどきで、この後また業績が回復していくというトレンドになりますので、景気循環株は過去最高益とかで「株価割安やん」みたいな状態のときが一番買ってはいけないときですね。
この見分けはかなり大事です。知らないという方がいて、ちょっと心配になりました。(⑤へつづく)
2017.04.27
カテゴリ:メディア情報