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「初心者にもできる長期投資で厳選銘柄を探そう!」第1回 割安な株を探そう!【株式の価値 編】②

「197.2」、そうですね。花王は1株当たりの利益が197.2円でした。いいですね。この間の12月の決算ですね。では、197.2に何をかけましょうか。花王は化学という業種に分類されています。

 

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ではこの中から化学を探していただきますと、係数18になっています。18と覚えてくださいね。

 

では、電卓をご用意ください。花王のこの間の決算に基づいて計算した1株当たりの価値は、いくらでしょうか?もう小数点は面倒なので、飛ばしましょう。

 

197でいいでしょう。「197×18」です。大体3550円ぐらいですね。

 

これがこの間の決算に基づいて計算した花王の1株価値、すなわち適正な株価です。株価が3550円なら適正な株価、これよりも株価が高ければ割高、株価が安ければ割安ということになります。

 

図で理解しておきましょう。

 

 

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花王の2015年の利益に基づいて1株価値を計算すると、約3550円です。さて、本日現在の株価は5889円です。今の株価は割高ですか、割安ですか、どうでしょうか?

 

そうですね。割高です。ですので、今の花王は買うのは危険、株価が高いということですね。ありがとうございます。皆さん、ちゃんと理解していただけているようでよかったです。ありがとうございます。

 

でも、これだけでは少し分析が浅い気がしますね。花王はとてもいい会社です。もう少し詳しく見てみましょう。どう見るかといいますと、時系列で見るわけです。

 

今の3550円というのはあくまで過去の一時点の決算に基づいて計算した価値です。それだけで「割高だな」と判断するのは、少し早い気がしますよね。もう少し冷静に考えてみましょう。

 

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1つ前の年、2014年12月の1株当たりの利益は156.5円でした。これは『四季報』の数字なので、会社の発表値とは若干違う場合がありますけれども、大抵誤差の範囲です。見てみましょう。

 

前々期、2014年12月の決算のとき、花王の1株当たりの利益は156円でした。係数は変わりません。18です。また進行期のあくまで計画値ですけれど、1株利益が246円の予想です。

 

では、皆さん、前々期の1株利益と、それから進行期の1株当たりの利益を計算してみてください。156×18、あるいは246×18。ざっくり行きましょう。

 

まず前々期は156×18で約2800円です。進行期は246円×18で約4400円です。先ほどの図に戻って考えてみましょう。

 

 

3550円の1年前は1株当たりの価値が2800円でした。進行期は4400円の予想です。こんな感じですね。

 

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割高なことに変わりはないです。今の予想の利益が達成できたとしても、まだまだ割高です。でも、さきほどとは少し感じ方が違いませんか?この3年分を並べてみると、割高は割高だけれども、どんなふうに感じるでしょうか?

 

○○さん、「利益が増え続けているので、成長性がある」。そうですね、そんなふうに感じますよね。こうやって見ると、確かに株価は割高です。でも、よく見てみると1株当たりの利益が毎年増えていっています。すごくいい会社ですね。

 

ですから、「そうか、株価はこうやって花王の利益が成長していくことを織り込んでいるんだ。だから、こんな株価が付いているんだな」ということですね。

 

このペースで行くと、この3期で言いますと、おそらく1株利益が大体25%ずつぐらい成長するんですけれども、あと2~3年経てば今の株価が適正株価ぐらいになるわけです。割高ですので買わないですが、どーんと株価が下がることはありますから、そのときが狙い目ですね。

 

今、「この×18、係数ってなんなの?」というご質問が来ています。これは前回の6回シリーズの理論編でも話していますので、ぜひそちらをご覧いただきたいのですが、要は業種別のPERです。過去の平均値です。

 

過去を平均的に見て、この業種の会社には利益1に対して何倍の株価が付いていたかというPERを使っています。それが理論的な背景です。

 

ということで、今日の重要ポイント1、割安かどうかの判断は、現時点で割安かどうかということが大事です。ただ、現時点だけでなく、過去からの推移や将来の見通しも考慮しましょう。それをできるだけ長期でさかのぼって見ていきますと、このようになります。

 

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これは花王です。ちなみに、この赤の線は売上高の推移です。データを途中から入れていますので、少し変なグラフになっていますが、こんな感じです。長期にわたって花王の1株価値がどのように推移してきたかということが、一番大事です。

 

この先どうなるかを予測するわけです。皆さん、ここまでよろしいでしょうか?ありがとうございます。

 

次のポイントに進みましょう。クリップコーポレーションという会社を題材に取り上げたいと思います。少し前の1株価値などを表示しています。

 

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2013年3月時点の気持ちになってください。アベノミクスが始まって、みなさんニコニコになり始めた頃ですね。オレンジ色のグラフを見てください。下に緑がありますが、緑はあまり気にせずに話をに付いてきてくださいね。

 

オレンジ色のグラフ、これが1株価値の推移です。赤色の線は気にせずにお聞きください。この青色の線は株価です。株価は割安ですか、割高ですか、どちらでしょうか?

 

株価と価値の単位の取り方は1株で円です。1円、2円とかの円ですね。そうですね、割安ですね。では、この後株価はどうなると予想しますか?こんなに割安ですから、株価はこの先どうなると思いますか?上がる気がしますよね。では、どうなるか見ていましょう。こうです。

 

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どうでしょうか。さきほどの基準時点に線を引くと、その後何が起こったかといいますと、1株価値がどんどん下がってきたのです。株価は下がっていないです。

 

上がりもしなかったけれど、下がりもしなかった。面白いですね。割安だから上がると思ったら上がらないどころか、価値が下がってきました。

 

クリップコーポレーションは、学習塾の会社です。塾業界を成長産業か成熟産業か衰退産業かでいいますと、何に当てはまるでしょうか?

 

これから子供の数が減っていきますので、衰退、良くて成熟かな、と思いますよね。ということは、2013年時点にもう1度時間軸を戻しましょう。

 

株価が割安でした。でも、子どもが減っていきますので、いつになるかわからないけれども、たぶん業績は悪くなるだろうなってみんなが予想します。だから、みんな買わないのです。(③へつづく)

2017.06.02

カテゴリ:メディア情報

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