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「初心者にもできる株式長期投資」第4回 なぜ自己資本比率とROEの高い株がよいの?⑤

では、あなたが経営者になったと考えてください。手元に余裕資金が250あります。これを配当とか自社株買いで株主に還元したいですか、したくないですか?また、それはなぜですか?考えてみてください。

 

 

「「成長するために投資する」、これは健全です。いいですね、いい経営者です。そうではなくて、「いや、もう成長投資の分野はないけれど、配当もしたくない」という経営者もいますね。なんでだと思いますか?

 

そうですね。何かあったときに会社が倒産したら困るからです。それはある意味正しいんだけれども、見方によっては、あり余る現金を金庫の中に持っていていいのかと疑問に思いますよね。

 

従業員に「働け、働け」と言っているのに、いいのかと思いますよね。「あなた、それだけ手元にお金を置いていたら自分の地位は安泰かもしれないけれども、それでいいのか」、「株主に還元しなくても、せめて従業員に還元したらいいのではないか」とか、思いますよね。

 

なので、ROEというのは、経営者にとっては実はすごく厳しい指標です。ROEを高めるためには、積極投資するか、金庫の中のお金を株主に還元するか、どちらかなんです。

 

経営者にとっては嫌なんです。ROEを上げろということは「もっと事業をでかくしろ」、あるいは「できないんだったら株主に還元しろ」ということです。どっちも嫌、しんどいことなんです。でも、だから大事だと思います。

 

進めます。「じゃあ、自己資本比率とROEのバランスってどうなんだ?」ということですが、私が目安にしているのは、自己資本比率が60%でROEが15%です。

 

これはすごくいい形ですね。めったにないです。実際には、ちょっと妥協が入ったりもしますけれどもね。あるいは、自己資本比率が40%でROEが15%です。

 

なので、自己資本比率は大体60%が上限、40%が下限みたいなイメージです。ROEは15%ぐらいが理想です。業種、業態でいうと、成長している企業は左のイメージです。

 

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逆に、成熟している企業は右のような形です。自己資本比率は40~60%で、ROEは15%ぐらいが1つの目安かなとイメージを持っておいていただければいいかなと思います。

 

では、もう少しだけ内容に触れていきましょう。実は業種、業態によって自己資本比率の傾向は全然違います。これは雑学といいますか、「なるほど」と見ておいていただければいいかなと思います。

 

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全産業平均でいうと約40%です。業種、業態別でいうと下に書いてある通りなんですが、例えば高い業界で行くと、医薬品は66.97%、高いですね。銀行は5.27%、低いですね。例えば製造業の会社で行くと、機械は48%、高いですね。輸送用機器、車は38%です。

 

このように業種、業態によって傾向があります。では、この傾向をどう捉えるかですが、例えばトヨタ自動車は、自己資本比率は実はそんなに高くないです。これはちょっと雑談程度に聞いていただきたいのですが、実はトヨタの決算書を見ると、トヨタは車を売るという製造業の部分と、それから車のリース、割賦販売してあげるという金融業の部分と混ざっているんです。

 

トヨタのビジネスは、製造業と金融業(どちらかというとその他金融に近いと思いますが)との組み合わせなんです。ですので、例えば第一製造業の代表として機械の自己資本比率は48%と高いが、銀行とか、その他金融のような金融業の自己資本比率は低い傾向があるんです。

 

この2つのビジネスの組み合わせですので、トヨタとか、自動車業界、輸送用機器、完成車メーカーの自己資本比率は実はあんまり高くないんです。だから、一律に40%っていう数字でなんでも区切ってしまうと、実はそういう実態が見えなくなってしまうこともあるので、目安として思っていただければいいんじゃないかなと思います。この辺りが株式投資の面白さだと思います。

 

あとは、皆さんにもう少し自己資本比率についてイメージを膨らませていただくために、質問です。

 

ディフェンシブなビジネスと景気循環のビジネス、自己資本比率はどちらのほうが高くあるべきですか?そして、どちらのほうが低くあるべきですか?

 

そうですね。現実がどうかは別として、景気循環のビジネスをやっている会社のほうが自己資本比率は高くあるべきです。逆にディフェンシブなビジネスをやっている会社は、自己資本比率は比較的低くてもいいわけです。

 

例えばディフェンシブなビジネスでいうと、セブンイレブン、ローソンのようなコンビニや、ドコモ、ソフトバンクのような電話会社などは典型的なディフェンシブなビジネスなので、比較的自己資本比率は低くてもいいんです。

 

逆に、製造業の会社、特にハイテク、輸出関連会社は自己資本比率が高くないといけないわけですね。このように業種、業態によってあるべき自己資本比率は違うというイメージを膨らませていただけたらと思います。

 

あと、もう1つ質問です。例えば今2社表示しています。卸売業の会社と製造業の会社です。自己資本比率は何%でしょうか?計算してみてください。

 

 

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どちらも総資産は100です。純資産は10です。そうですね。自己資本比率はどちらも10%です。ですので、先ほどの基準で行くと、どちらも投資対象外銘柄です。ただ、もう少し知識が増えてくると、もう少し深く見ていただくことも出来ます。

 

左の会社は卸売業です。決算書でビジネスの内容を見てみると、会社にはたくさんの売掛金があります。卸売なので、商社、流通業です。80商品を仕入れて、ほぼ同額の80プラスアルファで得意先に売っています。

 

要するに、買いと売りってほぼ紐付いているわけです。ですので、ほぼこの80は現金化してお金が会社に入ってきますし、この80はほぼお金が出ていくというビジネスです。

 

それに対して右の会社は製造業の会社です。決算書を見てみると、在庫がほとんどでした。これは売れるかどうか分からないですね。お金になるのか分からないです。買掛金は材料とか部品を仕入れた先ですから、これは絶対に払わないといけないです。

 

とすると、自己資本比率は同じ10%ですけれども、どうですか?見え方が変わってきませんか?どちらのほうがいいですか?もちろん左の卸売業は全部回収できたらいいという前提ですけれど、卸売業のほうがいいですよね。

 

このようにビジネスの内容によって自己資本比率を深掘りしていくと、卸売業でも「低くて投資対象外と思っていたけど、案外いけるんじゃないの?」という会社も出てきます。このお話は、またおいおい何かの機会にお話しできればいいかと思います。

 

ということで、あっという間の1時間ですね。皆さん、どうでしたか?面白かったですか?ありがとうございます。

今日一番大事だったところをもう1回確認すると、自己資本比率は40~60%ぐらいがいいですよという話ですね。なぜなら、倒産したら困るからです。

 

もう1つはROEの話で、ROEというのは結局のところ、1株価値が増えるスピードで、我々投資家にとっては資産が増えてほしいので、ROEが高いほうが資産が増えるスピードも速くなっていいんだよということですね。

 

あとは業種、業態によっていろいろありますし、成長ビジネスか衰退ビジネスかによってもちょっと違うので、その辺りは実際に中身を見ていきましょう、それが株式投資の面白いところだと思いますということですね。

 

ということで、ありがとうございます。株式投資って面白いですね。最高に面白い趣味だと思います。

 

では、今日はこれぐらいにしたいと思います。皆さん、おやすみなさい。

 

(「初心者にもできる株式長期投資」第5回 投資対象として有望な業種・業界はどこか?①へつづく)

 

2017.05.20

カテゴリ:メディア情報

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