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「初心者にもできる株式長期投資」第4回 なぜ自己資本比率とROEの高い株がよいの?③

もう少し具体的に数値で確認しましょう。まだなんとなくふんわりと分かっている状態だと思うので、もう少し数値で見ていきます。こちらをご覧ください。

 

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2014年4月1日に資産が250、負債が150、純資産が100ある会社があります。この会社が1年間事業をして15の利益を出しました。このときROEは何%でしょうか?

 

100の純資産に対して15の利益を出した。ROEは15%ですね。

 

では質問です。1株価値の話を第2回目の授業でしましたよね。細かいことは省きますが、ざっくり言えば、純利益に対して20をかけたものが1株価値だよという話をしました。なので、この純利益15に20をかけると、1株価値300というものが計算されるわけです。ここまではいいですよね?

 

では、次の年のことを考えましょう。2014年からの1年間は終わりました。次、2015年4月からの新しい1年のスタートです。

 

去年1年間で15の利益を出したので、会社の資産が増えています。去年は250だったんだけど、15増えましたので、当然会社の資産は265に増えています。負債は特に返済しなかったとしましょう。150のままです。純資産は差引で115です。去年と同じくROEを15%に維持しました。

 

そうすると、利益が17.25に増えています。ROEは15%です。利益はなぜ増えたのでしょうか?

 

去年はROEが15%で利益が15でしたよね。でも、次の年はROEが15で利益は17.25に増えています。なぜ利益が増えたのでしょうか?

 

そうですね、元手が多いという答えが近いですね。要は、会社が大きくなったんです。

 

例えば去年は東京に本社と支店が10カ所あったとしましょう。でも、去年1年間稼いで会社規模が大きくなったんです。資産が増えましたよね。「よしよし、頑張った。さらに支店を増やそう」ということで、支店を11に増やしました。会社の規模が大きくなったんだから、売上高も増えるし、利益も増えるということです。

 

会社が成長したんです。すごくうれしいですよね。会社に長いこと勤めていらっしゃる人だったら、そういうことを経験したことがあると思います。「会社が大きくなってきた。昔は従業員が100人だったのに今は200人だ」ということがありますよね。

 

ということで、同じようにROEが15%、利益を上げる効率は変わらずに会社の規模を大きくしていくと、利益が17.25に増えるわけです。そうすると、この利益に20をかけると、1株価値は345になるわけです。

 

では、質問です。1年間で会社が成長して規模が大きくなりました。このとき1株価値は何%増えましたか?配当は考えないこととします。1年間頑張って1株価値は何%増えたでしょうか?

 

はい、15%ですよね。計算は、345÷300で15%増えていると分かりますよね。15%増えているわけです。「ほらね」ということです。ほら、1株価値が15%増えた。この15%ってなんだったかなと思ったら、ROEの15%なわけです。

 

つまり、経営者が上手に会社を成長させてROEを15%で維持できれば、1株価値も毎年15%ずつ増えていくわけです。とすれば、株価も毎年15%上がっていくことが期待できるわけです。×20というのは、1株価値を計算しているわけです。2回目の講義をぜひまた見てください。1株価値を計算しています。

 

つまり、先ほど申し上げたように、ROE=1株価値が増えるスピードということです。ここまでよろしいですか?まだもやもやしている方もいらっしゃると思います。

 

私もここに至るまで何年間ももやもやして、もやもやっとしながら「結局こういうことだな」とだんだん腑に落ちていくものだと思います。すんなり分かったという方は、おそらく今までの投資歴が長いとか、算数が好きとか、そういうことだと思います。いいですかね。だから、ROEは株式投資で大事です。

 

我々は長期投資ですから、もう少し時間軸を長くとりましょう。こちらをご覧ください。

 

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今、純資産100のところからスタートしまして、1年間だけの推移を見ました。純資産100から始まって利益が15で20をかけると1株価値が300です。次の年、純資産は115に増えています。会社が成長しました。純利益は17.3、1株価値は345になります。

 

これを何年も毎年毎年同じことをやっていけば、5年後には純資産が200、純利益が30、1株価値が600になります。何倍ですか?

 

「2倍」、2倍ですよね。5年ほどで2倍です。もうこれは満足でしょう。1週間ぐらいもうめちゃめちゃおいしいビールをずっと飲めると思います。うれしいですね。文句ないです。

 

ちなみに、「じゃあ、ROEが5%だとどうなんだ?」ということです。こちらをご覧ください。

 

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日本の上場企業の過去5年の平均が6.5%です。日本の上場企業、東証1部、2部とマザーズ、ジャスダックの平均で6.5%ですので、ROEが5%というのは平均よりちょっと弱いかなというぐらいですね。5年後どうなりますか?

 

1株価値が100から始まって5年後で128です。「うーん、どうかな」という感じですね。悪くないですけどね。5年でも増えれば悪くないんですけど、さきほどと比べるとだいぶ見劣りがしますよね。だから、毎年ROEが5%の株を持つのか、毎年ROEが15%の株を持つのか、5年単位で見ればもう大違いです。だから、ROEが大事だよということです。

 

ただ、大事なのは、長期で高いROEを維持するということです。会社の経営者はまさに長期の目線で経営しないといけないですから、短期的にROEを上げるということはあまり意味がないです。

 

例えば従業員を酷使して短期的に業績が上がっても、5年、10年続かないと結局は投資家にとってもメリットがないし、もちろん経営者の評価にもつながらないので、長期でROEを高く維持するということが大事です。

 

従業員やお客さんを苦しめたり、環境を苦しめて、短期的にROEを高くすることはあまり意味がないということです。そのためには従業員のことも考え、お客様のことも考え、環境のことも考え、いろんな株主のことももちろん考えることが大事だということですね。

 

なので、ROEというのは、本当は使い方によっては株主だけではなく、みんなにとって大事な指標だと思います。

 

ROEは有価証券報告書や、いろんなところに載っています。(④へつづく)

2017.05.18

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