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「初心者にもできる株式長期投資」第4回 なぜ自己資本比率とROEの高い株がよいの?②

私はさっき見たように、自己資本比率に注目します。40%を超えているところってないですよね。

 

過去、もっと広い範囲で見てもまずないです。粉飾決算をしていてというところが1社あったんですけど、まずないです。大体皆さんに書いていただいたように、10%台前後ということです。

 

もう1つは、業種としては不動産と建設が多いよねって思います。これは前回の講義の内容とちょっと絡めて考えてみましょう。

この図を見ましょう。

 

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不動産や建設は、ディフェンシブか景気循環かでいうとどちらになりますか?どうですか?

 

リーマン・ショックのときにたくさんの企業が倒産しました。その企業の多くは不動産か建設業でした。そうしたら不動産と建設業は景気循環業種ですよね。景気循環の影響を受けやすい業種なわけです。

 

なので、先ほど自己資本比率が高いほうがいいと言ったのですが、特に不況時に影響を受ける業種、業態は自己資本比率が高くないといけないわけです。不況時に影響を受ける業種、つまり、不況時に弱いというと循環です。

 

循環株は特に自己資本比率が重要です。後でもう少し詳しく見ますが、逆を返せば、ディフェンシブ株というのは多少自己資本比率が低くても耐えしのげるわけです。リーマン・ショック級のことが起きても、ディフェンシブの銘柄でいうと、例えば食料品、「リーマン・ショックが起きたから、飯を食べるのをやめるわ」っていう人はいないですよね。やっぱりお腹は減るからご飯を食べますよね、ということです。

 

ここまでよろしいでしょうか。自己資本比率の話でした。皆さん、ここまでついてきていただいていますでしょうか。ありがとうございます。

 

では次にROEに入ります。ROE、これはちょっと難しくなってきます。

 

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ROEを日本語で言うと、自己資本当期純利益率や、株主資本当期純利益率といいます。株主資本と自己資本は同じ意味で捉えてください。当期純利益というのは、税金などを払った後の利益です。税引き後利益割ることの自己資本です。これは先ほど申し上げたように、ほぼ純資産とニアリーだと思ってください。大勢に影響なしです。

 

では、皆さんに質問です。なぜROEが大事なんですか?

 

大事だって皆さん言っていますよね。ちなみに、純資産は資産マイナス負債です。会社が持っている資産マイナス負債です。これは結構難しい質問です。では考えてみましょう。こちらを見てください。

 

 

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例えば、資産が250ある会社があります。負債が150あります。差し引きすると純資産は100です。この会社が1年間事業をして頑張って純利益を15稼ぎ出しました。このときROEは何%でしょうか?

 

ROEはReturn On Equityの略です。自己資本に対するリターンということです。そうです、15%ですね。

 では、こちらを見てください。全然違う話をするようですが、関係があります。

 

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これは、ある会社の1株価値の推移をグラフにしたものです。少し見づらいかもしれませんが、この青色の線が株価です。

 

左の会社の株価は山あり谷ありですが上がってきています。このオレンジの棒グラフは1株価値ですが、でこぼこしながらも増えてきています。オレンジの棒グラフ、つまり利益、言い方を変えれば1株価値が年々増えていっています。それも結構なスピードで増えていっています。それを追いかけるように株価も上がっていっています。

 

こんな株を買えたらめちゃめちゃうれしいですよね。もう何倍にもなっていますよ。株価も上がっています。ところが、右の会社はどうでしょうか。利益は増えていますが、緩やかですよね。あらかじめ断っておきますが、この右のほうの会社もかなり優れた会社です。

 

こんなに利益が安定しながら徐々に増えていっている上場企業ってあんまりないんです。だから、右の会社も優等生です。ただ、左の会社がすご過ぎるっていうだけで、右の会社もすごいです。ただ、利益の増えるピッチが緩やかなので、株価の上昇のピッチも緩やかです。

 

結論としては、左の会社、これは実はファーストリテイリングなんですが、過去の5年間の平均のROEは17.8%です。右はマンダムです。「うーん、マンダム」です。今、髪の毛がぼさぼさな私に必要な会社ですね。ROEの平均は7.7%です。つまり、端的に言いますと、ROEが高いということは、1株価値の上昇のピッチが高いということです。

 

この角度が17.8%っていうことですね。逆にマンダムもすごくいい会社なんですけれども、上昇のピッチは遅いです。ここの角度がROEなわけです。みなさんよろしいでしょうか。

 

つまり、株式投資においてROEにどんな意味があるかというと、ROE=1株価値が増加するスピードということなんです。だから、大事なんです。

 

これは第1回目、第2回目で話をしましたが、長期的には1株価値と株価は比例します。実際に、このグラフを見ると比例していますよね。短期的には差異がありますが、長期的には1株価値に株価は収斂していくわけです。

 

だから、僕たち投資家は1株価値がどんどん増えていく会社を買いたい。じゃあ、1株価値がどんどん増えていっている会社とはどんな会社でしょうか。答えはROEが高い会社なんだということです。

 

なぜならROE=1株価値が増加するスピードなわけです。このようにROEを説明している人は誰もいないと思うので、これを聞くと「あ、何を言っているんだ」と面食らうかもしれないですけども、ROEは1株価値が増えるスピードです。だから、高いほうがいいんです。

 

僕たち投資家は利益を出したいですから、だからROEが高い会社を狙いたくなるわけです。(③へつづく)

2017.05.17

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