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監査の流れ

先日、公認会計士の方がおっしゃってた言葉、
No paper ,  no work!
(監査調書が無ければ、監査手続を実施していないのと同じ)
が妙に印象に残っています。



監査は、当たり前ですが、とても計画が大事です。

監査業務の最初にするのが、1年間の監査計画を立てることです。

いつ?どんなことをするか?を決めます。


そのためには、クライアントのビジネスを理解し、財務諸表を読み込んで、どこにリスクがあるかを評価します。

勘定科目でいうと、どこにリスクがあるのか?
支店や子会社でいうと、どこにリスクがあるのか?
このリスク評価がとても大切です。

このような監査アプローチをリスクアプローチといいます。

「監査リスク=固有リスク*統制リスク*発見リスク」
と表現されます。

※ 監査リスク = 監査が失敗する確率(粉飾や間違いを発見できないリスク)
※ 固有リスク = 粉飾やミスが発生する確率
※ 統制リスク = 内部統制によって粉飾やミスを防げない・発見できない確率
※ 発見リスク = 公認会計士が不正やミスを見逃す確率

まず、目標として「監査が失敗する確率」はこれくらいにしよう、と決めます。(財務諸表監査と四半期レビューとで異なる)

次に、会社の事業内容や社風などから、「粉飾とかミスが発生する確率」を判断します。

さらに、会社の内部統制を把握して、それが有効に機能しているかを判断します。
つまり「内部統制によって粉飾やミスを防げない・発見できない確率」を判断します。

その結果として、「公認会計士が粉飾やミスを見逃す確率(発見リスク)」をどれくらいの水準にしなければならないかが決まります。

発見リスクを低くしなければならないなら、サンプルチェックの件数を増やします。
逆に、発見リスクが高くてよいなら、サンプルチェックの件数を減らします。


これを勘定科目別、監査要点別にプランニングしていきます。

そして、粉飾やミスの有無を確かめるために、本社、支店、子会社に往査(おうさ)します。
そのために往査計画を立案します。
例えば、6月下旬に本社、7月上旬に支店、7月中旬に子会社、といったふうにです。



このプランニングの際には、重要性の基準値というものをよく考慮します。

いくら以上なら監査上、重要な金額として取り扱うか、という目安になる金額です。
イメージで伝えると、「財務諸表を利用する人が企業の実態を勘違いしちゃうくらいの金額」「投資家が投資判断を間違いかねない金額」が重要性の値です。

財務諸表に1,000円の誤りがあっても、投資家は投資判断を間違わないですよね?
でも、1000億円の誤りがあったら、投資家は投資判断を間違いそうですよね?

たとえば、売上高10兆円の企業の監査をするとしましょう。

監査をするってのは、会社が作成する財務諸表に重大な誤りがないかどうかを検討し、その結果を監査意見として表明することです。

だから、売上高10兆円の企業の財務諸表に100万円の誤りがあったとしても、重大じゃないですよね??

日常感覚から言えば、100万円の誤りは重大ですが、10兆円企業にとっては、100万円は軽微なものです。

だから、監査をするときには、最初に重要性の目安になる金額を決めておくのです。

売上10兆円企業なら、「1億円以上の取引を重点的に見ていこう!」
逆に言うと「1億円未満の誤りがあったとしても、まあ、見逃そう」
と考えます。

それでは、重要性の基準値をどうやって決めるか?ですが、
たとえば、当期純利益の30%とか、総資産額の1%というように財務諸表のなかでも重要項目の金額を基礎に決めます。
(利益の変動が大きい会社なら、過去3年の平均を取ったり総資産(総資産は、わりと変動しにくいから)を使ったり)

このようにして決められた「重要性の基準値」は、監査の各局面で判断基準になります。



重要性の基準値が決まると、往査する支店、子会社の絞り込みもある程度自動的に決まってきます。

たとえば、重要性の基準値が10億円の会社の場合、売上高が3億円しかない子会社に行く必要はあまりありません。そういうところは、3年に1回だけいく、といった軽い対応になります。

逆に、毎年売上は100億円という子会社は、気合を入れて、毎年行く、という重い対応になります。

支店も同様です。
大阪支店は取引金額が大きいから要チェック。毎年往査。
北海道支店は、少額の取引しかないし、3年に1回の往査で十分。

こんな風にして
監査の計画を立てます。



また、勘定科目毎の監査方針も決めます。

※ 勘定科目 = 「現金預金」「売掛金」「借入金」などの財務諸表の表記

現金預金は、銀行に対して残高確認を実施することで、財務諸表が正しいことを検証しよう。
売上高は、建設行のように件数が少なければ全件チェックしよう、逆に小売業のように件数が多ければ商品別の粗利率分析を中心に検討しよう。
というふうに勘定科目の性格や、監査対象会社の事業内容に応じて、勘定科目毎に実施する手続きを変えます。工夫します。


ちなみに、監査チームにおいては新人が勘定担当する科目、ベテランが担当する勘定科目があります。

1.どの会社も似ている勘定科目
→「現預金」「借入金」「人件費」「有形固定資産」など。

こういう勘定科目は、会社の業種や事業内容にあまり関係なく、どの会社も共通です。
なので、比較的経験の少ない会計士が担当することが多いです。


2.どの会社も似ているが必要な知識がやや多い。
→「税金」「引当金」「特殊な金融商品」など。

こういう勘定科目は、会社によって大きく異なるというわけではないのですが、法人税法、消費税法などの知識が必要だったり、退職給付制度、年金数理計算などを知っている必要があったりします。

なので、基本的な監査の知識に加えて、これらの分野の知識をある程度蓄積した会計士が担当することが多くなります。

最後に
3.各企業によって大きく異なる勘定科目
→「売上」「売上原価」「棚卸資産」など。

これらの勘定科目は、会社によって全く違います。
たとえば、建設業と小売業では、売上の実在性をみたり、棚卸資産の評価の妥当性をみたりする視点がかなり違います。

なので、その企業の事業内容に詳しいベテラン会計士が担当することが多いです。

このように、勘定科目ごとに監査の方針を立てるとともに、どのような経験や知識を持った会計士を
どの勘定科目に割り当てるのか? ということも計画していくわけです。

2011.11.16

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